ファクター分析をもう少しわかりやすく

もっとわかりやすく「ファクター分析」というものを説明してみます。話をシンプルにするために今回は特にファーマ・フレンチの3ファクターモデルについて。

想像してみてください。あなたが学校で人気のカードゲーム「株ふぁくたー」をプレイしているとします。このゲームでは、プレイヤーは3種類のカードを使って、自分の保有する株式10銘柄全体の特性を数値化します。最も利益が高くなるよう、3種類のカードの組み合わせを選び、その後、答え合わせをします。3種類のカードそれぞれが株式市場の「要因」、いわゆる「ファクター(因子)」を表しています。

市場リスクカード: これは、市場全体にどれだけ影響を受けるかを示すカードです。このカードの数値が高いと、日経平均が大きく上昇した時に同じように、あるいはそれ以上に上昇することを示します。

企業規模カード: これは、保有する銘柄の規模が大きいか小さいかを示すカードです。いわゆる時価総額。大きな会社は安定、一方で、小さな会社は成長のチャンスが大きい、また、それぞれにリスクがあります。

価値カード: これは保有する銘柄がお買い得かどうかを示すカードです。いわゆる「バリュー」という言葉で表現されます。本来の価値をどれだけ下回った(あるいは上回った)価格を表します。

ファマ・フレンチの三因子モデルは、これらのカードを使って株式市場のゲームで勝つための最高の組み合わせを見つける方法と言えます。
カードの価値が、最小で0、最大で10の数値だとしましょう。

例えば、Aさんは、


・市場リスク:1
・企業規模:9
・価値: 10

Aさんは、市場リスクが小さく、企業規模が大きく、価値も大きい組み合わせです。この組み合わせは、市場の動向に影響を受けにくく、保有する銘柄は大型企業で、かつ最も割安な銘柄を持っていることを示しています。

相場が大きく下げても影響を受けず、割安な大型銘柄に買いが集まる状況では高いパフォーマンスになるね。しかし!市場リスクが小さいデメリットで、相場全体が大きく上昇した時に取り残されることを示しているよ!

一方で、Bさんは、


・市場リスク:10
・企業規模:2
・価値:1

Bさんは、市場リスクが大きく、企業規模は小さく、価値は小さい組み合わせです。この組み合わせは、市場の動向に大きく影響を受け、保有する銘柄は小型で、割高な銘柄中心であることになります。

相場全体が大きく上昇するとき、さらに小型銘柄に買いが集まったり、すでに割高になった銘柄が上昇を続けるときに、爆益だ!しかし、相場が下げるときや、大型バリューが選好される時は逆に爆損だぞ!

では、それぞれの組み合わせに対して実際の相場はどうだったか、答え合わせをしてみると…

このように、その時々で自分の保有するポートフォリオが最適な組み合わせだったかどうかを明確に数値として表すことができます。

ファーマ・フレンチのファクターモデルを用いることで、自分のポートフォリオは現在どのような構成になっているのか?それを3つのファクターで数値化し、その上で現在のマーケットではどのような偏り(バリューが買われている、小型が売られている等)が起こっているか、それらを把握することができるようになります。

なるほどねぇ。おいら雰囲気で買ったり売ったりしてんだけどさ。後から数値化して分析できるわけね。で、どうやんの

それはまた次回!

投稿者 すずたろう

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